矢山利彦コラム

HOME > 矢山利彦コラム > ヒーリングへの道しるべ 2011年4月 『ほろとろぴっく通心』より
虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残し

ヒーリングへの道しるべ 2011年4月 『ほろとろぴっく通心』より
虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残し

「虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残す。」

今はなき祖母が、私が小学生の頃よく口にしていた言葉です。空海の名は誰でも知っていますが、どんな思想や言葉を残しているのか密教の僧以外は知っている人は少ないでしょう。釈尊、老子、孔子、キリスト、偉大な宗教の祖と空海の決定的に異なる点があります。それは、空海だけはその言葉が直筆で残っていることです。我々は本当に有難いことに1200年の時空を越えて空海の書と言葉に直接触れることができます。20年以上も空海の書を臨書しながら、言葉を何度も何度も読んでいくうちに、だんだん空海が身近に感じられるようになりました。またそれだけ心にしみる素晴らしい言葉をかぞえきれないほど残してくれています。今回からそれらの空海の言葉を訳というより、その中からどう心の滋養をくみ取るかという観点から超訳して皆さんに紹介いたします。
 
曾て我の自性を観ぜずんば
何ぞ能く法の実諦を知らん
秘密曼荼羅十住心論 第一
 
自分とは一体どういう人間なのかという疑問を持ち、自分の心の動きを観察し続けていると、実に様々なものが見えてきて、そのうち自分を観る自分が目醒めてきます。そうすると自分の心と外の世界が繋がっているという事に気がついてきます。ではどんな心のあり方で生きればよいのでしょうか。心を天地の理法に沿わせて生きるにはどうすればよいのでしょうか。
 その答えとして、空海は秘密曼荼羅十住心論という古今東西の心理学をはるかに越えた心の秘密を説き明かす論書を書きました。
 
中区に佇(たたず)みて以て玄覧(げんらん)し、情志を典憤(てんぷん)に頣(やしな)ふ
文鏡秘府論 南
 
問題の中心は何なのですか?そこに静かにとどまって、奥の奥まで見て下さい。そうして自分の感情や、本当にやりたい事を考えて下さい。その時古典にある先人の叡智をよくよく噛み砕いて自分の心の滋養とする事が大切です。

ショッピングサイトへ ページの先頭に戻る